以前から撮影したい被写体であった283系「オーシャンアロー」。平成初期のJRを象徴するユニークな特急形の一つであるが、中々撮影の機会に恵まれなかった……が、突然爆誕した新サービスにより急遽出撃することとなった。
そのサービスの名前は「ENEOSカーシェア」。そこら辺のカーシェアと何が違うの?大人しく時宗カーシェアでもいいのではないか?という声が聞こえてきそうだが、そうは問屋が卸さない革命的サービスであった。
油教ことENEOSカーシェアのメリットは「距離料金が一定まで掛からない」という点である。25km/h以上走行すると超過分に応じて距離料金が掛かるというシステムなのだが、上限いっぱいに72時間(保障付き約18000円)借りるとその距離はなんと1728km。一般道を走っているくらいでは中々に到達できない距離なのである。しかもガソリン価格が170~80円/Lを右往左往していた当時、ほぼガソリン代だけでトントンというレベル。しかも初回利用の料金はタダ(※安心保障プラン除く)だとか。頭おかしいんじゃないのこのサービス。
というわけで、取り敢えず同行者をかき集め3名で桜木町のステーションを出発。往復600km+現地行動600kmを考慮すると紀勢本線の特急の撮影が適切な距離であろう、ということで往復660円での新宮奇行が始まった。早速私の㋵運転により西へ西へと爆走。国道1号~23号~42号と一般道ピンチケ爆走。ほぼぶっ続けで約10時間半運行し、目的地の紀伊浦神に到着。この時点でまだ走行距離は600km足らず。まだまだ1200kmも無賃で走れるとか、どんだけ土地狂ったサービスなんだよ……と、非常に思い知らされた次第だった。