オリンピック記念でカマが続々とクソ塗装に変更されていき、悪いニュース続きであった秩父鉄道デキ。五輪カラーに色を合わせているせいで、どれも彩度高めで非常に"終わっている"被写体であった。聖火リレー用に気色悪い4色が登場。赤、緑、黄、水色、そしてピンクのゲテモノカラーズを撮影地で見たときの絶望感は非常に救えないものがあった。更には五輪自体の延期のせいで無意味にクソ塗装が延長。塗装ガチャを引かざるを得ないと思うと足が伸びない路線に成り下がっていたが、五輪が終了後の2021年秋に風向きが変わった。
――そう、デキ105・茶色デキの登場である。以前にもデキ505で実装されていた茶色であるが、初代茶釜と異なり前面帯は省略。裾に細い白帯が入るだけとなり、デッキ付きの車体と相まって博物館に展示される旧型電機のような雰囲気に仕上がった。素晴らしい被写体の爆誕に色めきだつ界隈であったが、季節はまだ10月。秩父鉄道のシーズンには少しばかり待つ必要があった。
そして12月に入り秩父鉄道界隈が賑やかになってきた。そう、遂に迎えた両パンシーズンである! 早速普段は下車する西武秩父線を抜け、波久礼駅を降車した。国道を少しばかり歩き、三脚を構える。背景にチラリと紅葉が映るようにセッティング。昼下がり、精悍ながらもどこか可愛らしい顔つきのデキ105が山を下ってきた。その姿は、幼き頃に遊んだEF15のプラレールを彷彿とさせるものがあった。