Part.2
爆音再生されるいつもの音楽を聞く前に、寝心地が不快すぎて目が醒めた。洗っていた洗濯物を回収し、身支度を整える。まもなく到着が近づいてきた頃、何気なしに近くの窓を見やると妙に空が赤っぽい。外に出てうっとり眺めてしまう。美しい夜明けだ。
2017.08.23 05:15 瀬戸内海上 (Canon7DmarkⅡ EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM ISO-640)
日の出まであと少しというこの時間。以前冬に乗船した時には真っ暗闇で何も見えなかった、真夏ならではの風景である。そんな朝焼けに後ろ髪を引かれつつ、下船して連絡バスへと乗り込んだ。
高松駅に到着後うどんでも食べれば良かったものを、何も考えずにそのまま快速マリンライナーで本州へ蜻蛉返りする。滞在時間僅かに1時間(笑)。どちらにしろもう一度来るんだし、ジャンボフェリーは宿代わりとしても優秀なので仕方がないのだ。先頭車両へ移動し、貴重な海を渡る運転士をスナップ。
2017.08.23 06:25 本四備讃線:児島~宇多津 (Canon7DmarkⅡ EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM ISO-400)
他の本州と離島を結ぶ鉄路はトンネルで連絡しており、このように海峡に鉄橋を架けて渡るケースは他に見られない。特徴的な白塗り鉄骨の橋と運転士を絡めて撮影させてもらった。思ったよりもガラスの反射光が障害となり撮影しづらかったが、その中でも巧く躱せた2枚を掲載した。
空いていた車内も、岡山県に入ると次第に通勤客で混み始める。風景も特徴が薄いので、フェリー雑魚寝の睡眠不足を解消すべく睡眠に入った。岡山駅で伯備線に乗り換え、美袋駅で降り立った。狙うは、9両編成で運行されるやくも号とEF64貨物である。
ということで美袋駅に降り立ち有名な美袋出発のアウトカーブへ向かうが…なんだこれは!上下線路間にポールが巧妙に配置されている。しかも、雰囲気新しく設置された感が半端ない。特トワで大激パになったJR西が激怒して設置したのだろうか。正直陰湿であるが、これを引っこ抜く訳にもいかないので上手に躱して撮影することにした。
2017.08.23 09:36 伯備線:美袋~日羽 (Canon7DmarkⅡ EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM ISO-160)
2017.08.23 11:09 伯備線:美袋~日羽 (Canon7DmarkⅡ EF70-200mm F4L IS USM ISO-200)
ロクヨン貨物はやや引き気味で空を入れつつ撮ったが、どうにも右側が狭い。これ以上右に振ると諸悪の根源:ポール兄貴がフレームインしてしまうのでどうしようもないのだが。この時期の光線的にこれがベストアンサーか。
この後白レンズに交換し、30分後に来る9両やくもは撮るには撮ったが…簡易貫通顔&側面薄でボツ。比較的マシだった1時間後の7連やくもを掲載する。しかしこちらは非貫通顔で来たものの向かって右側のタイフォンがパッカーンしたままやってきやがった。時間帯的にも夏光線だし、灼熱地獄で蜘蛛と戯れつつ得られた戦果がこれだと正直悲しくなる。
これ以降やってくるやくもは大半が4連なので撮影対象外。かといって他に撮りたい被写体もあまり無いので吉備線経由で岡山駅に帰投。ビッグマックを食しても時間がだだ余りなので、駅前に見えた岡電でも乗り潰すこととした。
2017.08.23 13:41 岡山電気軌道線:東山駅 (Canon7DmarkⅡ EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM ISO-100)
取り敢えず脳死で一日券を購入し、冷房の効いた車内で休む。清輝橋を往復し、東山で完乗したところで下車した。駅前に岡電ミュージアムがあったものの、水戸岡鋭治の博物館らしいので興味の無さを感じ撤退。入館料1000円ってバグかよ…と思いつつ、道路のど真ん中に位置する引き上げ線に止まっていた車両にレンズを向ける。前照灯点けっぱなしで運転士は真横にある岡電運輸課に行って休憩してるし、車両は完全に無人状態。こんなのも晴れの国ではアリなのか…
どうせラッピングされた都電7000もどきばっかりだしどうでもいいかな~と思っていたが、この文章を書くために調べたところ、岡電には元東武日光軌道線のクルマが居るらしい。多少興味が湧いてきたので再訪してみたいところだ。
気を取り直して岡山駅に帰還。駅前の金券ショップでトク割4枚回数券を購入し、路線バスでキハ40を撮影しに行く。目指すは備前原~法界院のインカーブ!だったが…
2017.08.23 15:51 津山線:備前原~法界院 (Canon7DmarkⅡ EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM ISO-100)
8月下旬という時期にあまり有名でない撮影地に赴くのが馬鹿だった。草ぼうぼうで刈れるような状態ではない。諦めて適当に雲と絡めて撮った。30点ぐらい。
本州に戻ってからまともなカットを撮れていない気がするが、まぁそこは気にせず再び四国へと離脱することにした。これで今日海を渡るのは3回目である。先程買った金券でしおかぜ19号の自由席に乗車。高速バス+300円で特急の自由席に乗れるなら安いもんだろう。進行方向右側の座席を陣取り、海沿いを走る予讃線の景色を堪能した。日が暮れた19時24分、松山駅に到着した。
さて暇だ。特急の座席にゆったりくつろいだことで比較的足も回復した。と、駅前に伊予鉄が走っているではないか。折角だし好みのデザインである旧型車でも撮影したいところだ。南堀端へと移動し、バルブを敢行した。
2017.08.23 20:00頃 松山市内線:南堀端駅 (Canon7DmarkⅡ EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM ISO-100)
伊予鉄といったらやはりこの塗装だろう!そう思う諸氏は多いと思うが、残念ながらこの塗装は減少傾向にある。伊予鉄の社長が現在の人になってからどうも調子がおかしいようで、いよてつチャレンジプロジェクトと称して全車両の単色化を始めてしまった。鉄道線はおろか軌道線、ましてやバスまで含められていると聞いて誰が得するのだろうかと疑問である。このノリで坊ちゃん列車までみかん色に染めてくれるならちょっと見直してやってもいいかもしれないが(笑)
実際、撮影していて4割くらいの列車が単色化されていて驚愕した。現在は更に単色化が進行し、軌道線では7割がみかん電車になっているという。上記写真の2車両もその被害に遭って一色になっているという。更に現場の士気も下がっているのか知らないが、車両全体が以前より汚くなっているとも聞く。松山空港延伸を目指すのも結構だが、対岸の某鉄道を見習わないでほしいものだと思ってしまう。
愚痴はこの辺で止めておいて、松山駅に戻って3072レのバルブをする。今に残存する貨物駅としては珍しくターミナル駅に併設されており非常に興味深いのも山々だが、時間があまり無いので早速バルブに移る。駅の改札の向こうにはすでにコンテナ列車が入線していた。
2017.08.23 20:35 予讃線:松山駅 (Canon7DmarkⅡ EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM ISO-200)
早速三脚でバルブしながら斜板を確認すると青プレ機ではないか。割と運が良いと思いつつコマを稼ぐ。特急が入線後、暫くして前照灯が点灯した。まもなくエンジンが唸りを上げて始動。前照灯点灯コマは僅かに数コマだったが、確実にモノにすることができた。
この後は更に西進。撮り鉄の夜は寝る鉄タイムに充てなければ移動がままならないのである。旧線経由の列車に乗車したが、当然深夜なので車窓なぞ存在しない。某熱帯魚漫画の聖地である伊予長浜を通ったのだが、当然何も見えず。ここからは多くの客が下車し空気輸送となった。約2時間の乗車で、八幡浜の駅に降り立った。
2017.08.23 23:36 八幡浜港 (Canon7DmarkⅡ EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM ISO-800)
駅から歩いて約15分、今日の宿の出発地である八幡浜港に到着。乗船券を購入し、昭和の雰囲気漂う窓口を撮り乗船開始を待ちわびる。アナウンスと共に飛び込み、電源の確保にひた走った。想像以上に少なくてエグかった。