Part.1
旅の始まりは住処である東京ではなく、白馬から始まる。普段活動しているサークルとは別のサークルの合宿に参加しており、神城駅近くのペンションに宿泊していた。朝食を頂いた後に所定の日程よりも早めに切り上げて、神城駅10時半に発車する電車に乗り込んだ。
大糸線という路線は走る土地柄的に稀有な路線である。大町以北の高原地帯では白樺の木が多く自生し、通常の鬱蒼とした夏のローカル線とは一味違った雰囲気を醸し出す。白に輝く樹木は、車窓を明るく照らし出す。いつかはこの辺りで巧く絡めて撮影したいものだな…なんて夢想していると、あっという間に信濃大町駅に到着。高原の雰囲気もここまで。対面の列車に乗り換え、安曇野の水田へと駆けていく。前日の撮影で徹夜したので、しばしここで一眠り…
松本に到着するのは12時半。10分前に中央西線の普通列車に逃げられてしまっているが、後追いの普電に乗ることで塩尻駅で追いつくことができる。無人の神城駅で捺してもらえなかった18きっぷの印を捺してもらい、中央西線の普通列車に乗車。多少混雑していたが、奈良井辺りまで行くと空いてきた。着座してまた寝る。
さて、そろそろ起きねばならない。折角だし中央西線の貨物列車を撮影しながら移動した方が楽しいというものだ。前年も降りた坂下駅で下車。歩いてチェックしていたポイントへと向かう。前年は公会堂近くのインカーブで撮影したが、何より40分歩くのがダルい。お目当てのところにはすぐ着いた。
2017.08.22 16:04 中央本線:落合川~坂下 (Canon7DmarkⅡ EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM ISO-200)
この鉄橋ポイントは柵が目立つのでどう処理しようか悩んでいた。取り敢えず最初に来た高速貨物を何も考えずに編成撮りしたが、いまいちパッとしない。近くのガソスタのおっちゃんに声掛けられつつダラダラ過ごしていると、遥か遠く名古屋の上空と思わしきところに立派な積乱雲が現れた。これを活かさずしてどうするのだ!レンズを広角側に回し、雲台を仰望させる。この際なんでもいい!どんな被写体でもいいから来てくれ!その願いは通じたのが通じなかったのか、普通電車がフレームインした。仕上がりを見て…思ったより満足。こういうのが有るから撮り鉄は辞められないのだ。
とまあここまでは良かったのだが、入道雲は画面右へとフレームアウトしていき、石油貨物が通過するタイミングで曇られてゴミ箱行き。得られた戦果としてはこれ1枚のみとなった。まあこんなもんだろう。
気を取り直して、即時撤収。きしめんを食べたいので17時過ぎの列車に乗らねばならない。急いで坂下駅に戻り予定電に乗車。中津川で乗り換えて一息吐いていると…高蔵寺辺りで都市圏の方に怪しい黒雲が。なんぞやこれ…と思って乗っていると、みるみるうちにその下へと入っていき、勝川辺りで雷を伴うゲリラ豪雨に巻き込まれた。屋根の下から見るゲリラ豪雨は楽しいことこの上無い(実際にその中を歩くのは勘弁だが)。雷鳴を堪能していると名古屋到着。駅ホーム南側にあるきしめん屋で1杯頂く。
もう時間は19時を過ぎているが、目的地はまだ遠い。今宵の宿はジャンボフェリーだ。西に向かわねばならない。と、12番ホームに向かうが、スマホを忘れた!危ない危ない、急いできしめん屋に戻り回収し、再び乗車する。この時間でも4両とは短すぎでは?関西本線に乗り、ある駅で降車する。DD51バルブの聖地、蟹江駅だ。
2017.08.22 19:57 関西本線:蟹江駅 (Canon7DmarkⅡ EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM ISO-200)
どうせ更新色しか居ないしなぁと運用調べるのをサボっていたので、フレームインしたときの雰囲気の違いに驚いた。DD51-825、切り抜きプレートの車が頭でやってきたのだ。しかも停車してからずっと減光&点けっぱなし。消灯することが多い蟹江Bと聞くが、これはかなり有り難い!構図をちょくちょく変えつつ、何枚もカットを量産した。間もなく発車時刻となり、エンジンを震わせて汽笛一声。10分間の至福はあっという間だった。
ホームのベンチで写真をニヤニヤして眺めていると、普電が来たので取り敢えず乗車。四日市で降りて何か撮れないかな、と考えたもののDD51は外れに留置されており撮影不可。諦めて後続の亀山行きに乗り、終点で最終加茂行きに乗り換え。夜の加太越えを堪能して柘植で乗り換えた。その後は草津、東海道の新快速と乗り換えて三ノ宮まで行った筈だが記憶がない。神戸港まで歩いて乗船届を記入していざ待機。コンセントを確保するために真っ先に突入。寝床と電源を確保し、洗濯機を回して就寝した。