津軽線末端区間は、全区間でたった30分ちょっとの距離。更に雪が厚く積もっていることを考えると、思った以上に撮影地を見繕うのには苦労する。その上峠越え区間での追っかけはゆとりダイヤ。大平~三厩の非電化区間で、1列車あたり3発程度撃つ余裕があった。それを丸2日も回ろうとすると、当然撮りたい絵が尽きるわけで…… 午後便1往復ぐらいは捨て、最果てのローカル私鉄・津軽鉄道に浮気することにしたのだ。
だが津軽鉄道も津軽鉄道で難しい。年末あたりにロッド式のカマが駄々をこね、ストーブ列車は気動車牽引での運行となっていた。正直に言えば渋い。だが、一方で気動車が旧型客車を牽引するという姿が見られる場所はまず他に無い。この姿も、考え方によっては面白いのでは?
何はともあれ食わず嫌いは宜しくないわけで、撮影を敢行。GoogleMapで見繕ったアウトカーブにローアンで陣を構える。タタン、タタンと軽やかなジョイント音を響かせて走り去る2両編成。津鉄オリジナルの落ち着いた塗装を纏った旧客が、巻雲はためく空へ舞い踊った。