7月は梅雨時だ。ラボ通いが始まった影響で遠出もおいそれとできないし、週間天気予報は灰色で埋まる。こういうときは撮り鉄を休んでもいいが……いや、こういうときこそ"鍛錬"のときでは?普段攻めないようなアングルを抑える良い機会だ、そう捉えることにした。
まず順光で撮れるような撮影地は、晴れた時の劣化系にしかならないので曇りで行く必要はない。構図が好みで曇りが最適解の撮影地に行くのが良いだろう。それならば……手始めに、梶が谷駅の通過を抑えることにした。この撮影地は順光とかそういう概念がないので、梅雨時こそ赴くべきだろう。折角だし列車が映える日没後を狙う。通過時刻が迫り、カメラを構える。薄暗い道床を切り裂くヘッドライトが、ファインダーを白に染め上げた。