日も沈み北信州蹂躙ツアーもいよいよ大詰め。弟も私も翌日はいつも通りの平日なので、これで帰投せねばならない。最後の一戦に選んだのは、信越大橋。北しなの線のハイライトとも言える信越国境を越すこの区間は、名場面を多く生んできたお立ち台である。
普通ならば昼間に撮影すべき撮影地であるのだが、私は今回日の入り後というシチュエーションを選択した。如何にもクソ暑そうなギラギラ光線を浴びているのでは高原の雰囲気とはミスマッチである。あくまでしっとりとした"涼しげな盛夏"がベストな条件である、そういう最適解を私なりに導き出したからだ。
だがいくら夏至時とはいえ、19時では露出もみるみる落ちていく。この条件下ではISO感度を上げざるを得ない。流石にもう限界だ……そう思った刹那、二条の光跡が森影から透けて現れた。