EF64貨物「8084レ」

　昨年の長野県内の豪雨の復興支援として行われたふっこう割を活かしつつ、格安で旅行するにはどうするか――毎度お馴染み、格安旅行ならおまかせのクラブツーマサルが提案してきたのは富士山山麓＆信州ツアーであった。レッドアローの葬式を済ませた後、八王子でレンタカーを借りだして西へと転がした。一日目は石和温泉で(既にコロナでガラガラとなっていた)旅館でゆったりとskkzに浸り、二日目の昼間は富士山麓界隈を巡って松本の浅間温泉に投宿。そして……本命は翌日であった。

　中央西線のEF64重連貨物追っかけは中学･高校の頃から悲願であった。数々の風光明媚な撮影地を駆け巡る木曽路の鉄路に真剣に向き合う機会は今まで中々訪れず、移動途中にちょっくら徒歩鉄をする程度に留まっていた。バカ停を活かした車による追っかけへの憧れは、未だ捨てられずにいたのである。

　そして遂にその機会が訪れた。ダイヤグラムを刷り計画を念入りに仕込む。バカ停がここにあるのだから、ここで撮影できるはず、ここは厳しいか……撮り鉄は事前準備が半分を占める。与えられた半日をフルに活かすことができるプランを仕上げた。計7発。これが私の出した最効率である。

　そしていよいよ実戦……だったが、そう上手く行かないのがこの世の条理である。まず朝っぱらから追っかけた6088レに関してはスジがあまりにも立ちすぎていて追っかけできる代物では無かった。木曽平沢の交換の2分停車で抜き返して一発ぐらいいけるか？そう思ったが流石にそこまで甘くない。結局野尻ストまで下って、更に立ち位置不明瞭で爆死。朝の3発を無駄にした。これで負けては居られぬ……来た木曽路を大返しし、再び塩尻へ。定番･セバシオで確実に勝ち星を得た。