この日の夜は東京の夜を駆けずり回った。渋谷のスクランブルスクエア俯瞰、引退迫るE231のスナップなどを履修。さて次は夜の定番と化している湘南ライナーを撮ろうと思う。だがホームからのスナップはだいぶ数をこなしてきたので、そろそろ沿線から狙ってもいいだろう。というわけで向かったのが東京駅の駅近くに立地するKITTEだ。
施設の屋上からは東京駅の全体を見渡すことができる。ここから流し撮りすればかっこいいんじゃないか……?という妄想を具現化するためにやってきた。まずは練習電で安定するシャッタースピード・1/100秒程度で流してみるが、被写体がそもそも遠すぎて全く流れないではないか。それは私の求めていた写真像とは明らかに違う。リスクを犯してでもシャッタースピードを落として流さねばならぬ!というわけで試行錯誤した結果、1/10秒で勝負することにした。これ以上落としたい気持ちも山々であるが、列車の動く方向的に斜め流し撮りが要求される以上、通常の真横流しと比較して成功率が格段に落ちてしまう。最高の"妥協"としてのこの数値だ。
そしていよいよ本番。列車が駅端部を抜けると同時に、連写スタート!直ぐに結果を確認しそれぞれの写真をズームアップして確認すると、なんとか一枚だけ切り位置と流しが上手く決まった。取り敢えず満足の出来ではあるが、正直まだまだ流し撮りに関してはヘタクソと言わざるを得ない。もっと腕を磨いて、さらなるスローシャッターの世界にも挑みたいところである。