No.084

D51「津和野稲成号」:長門峡出発

Filming Date : 2020.01.01

Writing Date : 2020.05.12

D51「津和野稲成号」:長門峡出発

2020.01.01 12:06 山口線:長門峡~渡川(Canon5DmarkⅣ EF300mm F4L IS USM ISO-400)

撮影日誌

 一般ピープルも大参戦した超激パの厳島神社で初詣を済ませ、門前町を練り歩いた後に連絡船で宮島口の駅へと戻った。この時点で、まだ深夜2時。こんな中途半端な時間にホテルに入庫しても仕方ないし高いので、ケチって終夜運転の列車を往復して時間を潰す恒例行事を行った。だが、これがまたキツイったらありゃしない。終夜運転を行っているのは主に広島~岩国間で、片道凡そ50分。いい感じの眠りについた頃には列車は終着駅に到着して回送になってしまうのである。同じ列車がピストンで動くわけでもないようで、岩国と広島で1回ずつ寝床を移すことを余儀なくされた。

 そういうわけで、若干の睡眠を得てから山の麓までウォーキング。ロープウェイで登り、岩国城から初日の出を拝んだ。まぁ流石に日差しが出ると眠気も吹っ飛ぶというもので、凍てつく錦帯橋(工事中)を渡って岩国から再び西へと針路を移した。

 元日にやりたいことは幾つか上がっていたが、やはり個人的にゴリ押ししていたのがSL津和野稲成号である。SLやまぐちのHMは純正でも非常に見栄えのいいものであるが、三が日限定の赤富士ヘッドマークは流石に別格というべきか。一度は赴いてみたい被写体であった。2年前の山口旅行で潰れたSLやまぐち撮影計画のリベンジも兼ねて、この列車の撮影を提案していたのである。帰りの飛行機の都合で撮れるのは往路だけであったが、十二分に価値があるだろう。

 だが光線があまりパッとしない往路だしどうやら曇る予報だったので、深い考えなしに定番巡りに終始した。まずは仁保地で一発目、続いてはどこで撃つか……まあ、長門峡出発の鉄橋でいいだろう。編成撮りをしたいという同行者の意見ととにかくHMを浮かび上がらせたい私とで、意見の両立ができそうだ、という点で選定した。

 さて、長門峡のお立ち台になだれ込んだ訳だが、当然ながらの大激パ。イン側にもアウト側にも有象無象の黒山。だが待てよ、ゲバ林になっているアウト側には剃り残しみたいなススキが死ぬほど生えてる。しかも客車を写す面縦向きの角度ではない。ならば……線路沿いに下がればいいではないか。編成が機器箱に掛からないように慎重に立ち位置を調整する。ここか、それとも後ろか……微妙な立ち位置調整を繰り返す。この位置なら行けるだろう。そして露出調整等をしているうちに汽笛一声。若干風に流されたのが惜しいが、元祖・復活SLをキッチリ撃ち抜いた。

 その後も徳佐Sまで追いかけて無事撮れたのだが……オーイシ君が全開アクセルでバックして田んぼに両輪突っ込んでジ・エンド。レッカーを元日から呼ぶ惨事になったり、帰京する飛行機が遅延してスカイライナー課金して終電チャレンジする羽目になったり、散々な年始めだった気がする……