211系顔を有する国鉄近郊型・最終世代は、間違いなく「次」に来る被写体の一つであり、追いかけることになる被写体である……私はそう考えている。113顔ファミリーのような鋼製車体ではなく、新系列のようなステンレス車体であることが難点だ。だが、武骨な構造の前面や昭和な雰囲気を醸し出す車体は、個人的に非常に好みである。しかも都心から手頃な距離で走っているとなれば、惹かれない理由が無い。
しかし、されども国鉄型世代の車両である。既に寄る年波には勝てない。各地で徐々に置き換えは進んでおり、仙台の719や勝田の415は全廃。東海の211・213も今後数年での置き換えが決定しており、残された時間の猶予は限られたものとなっている。
さて、その中で以前から目をつけていたのが山形線の標準軌仕様719系である。2連運用が基本で編成撮りには向かないが、山形近郊では4~6連での運用が存在する。そして更に、三大峠の一つに数えられる板谷峠を4連で越える運用が時期限定で存在する。斜光線できっちり抑えられるというなら行かない理由は無い。メンバーを掻き集めていざ新4号を大爆走!深夜3時に現地に到着し、車内で朝の夜明けを待った。
朝起きると太陽方向はスッキリとした快晴!落ち葉掃きの701は来なかったのは残念だが、本命は定期列車なので確実に運行する。参考の写真と現場を見比べ切り位置を探る。後方の先客と立ち位置の調整をしつつ、いざ本番。遠くの庭坂カーブを大きく回って、719系4連が落ち葉散る峠へと挑んでいった。