2019年カシクル秋シーズン第2戦も、天気はイマイチな予報であった。前回と同様、晴れるのは群馬県内だけで越後湯沢以北は雨。これでは今シーズン絶対に極めたかった俯瞰であるスノーウッドは門前払いでボツ案である。群馬県内で撮影地を探索しようということで早めの都内出発。夜明けと同時に棚下に着弾し撮影地捜索に勤しむものの、木々の成長で撮影は不可能と判断。第二案となる越後湯沢Sに向けて国境のトンネルを越えた。
到着時には既に先客多数。しかも定番のアングルでは250mm程度がベストと、持ち合わせのレンズには無い焦点距離を要求された。トリミング前提はあまりパッとしないし、300単で戦えないだろうか。付けかけてみると……やはり物は試しである。1スパン奥でジャストミートしたのである。
しかしあまりにもジャストミート過ぎた。単焦点だから多少広角気味にして余裕を持たせることもできないし、かなりの望遠だから雲台を多少弄るだけで大きくズレが出る。かといって編成の頭やケツを切れば即ゴミ箱行き。適当な動画の切り抜きと現場をじっくりと見比べて、編成が収まることを何度も確認する。
そして雨が降ったりやんだりを繰り返し、いよいよ越後湯沢の発車時刻。緊張を身を染め、丁寧に準備した1時間を信じてシャッターボタンに手を添えた。カーブ向こうから長大たる編成が見えた! 祈るような気持ちでいるといよいよ迫ってくる。編成の端を見つめてレリーズ・オン! 重連で峠を駆け抜けるカシのカッコよさに痺れて、編成のケツを見送ろうとした最中、対向電が湯沢方向へと上っていった。