No.068

キハ66系「シーサイドライナー」:江ノ串

Filming Date : 2019.09.12

Writing Date : 2019.12.18

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2019.09.12 08:37 大村線:松原~千綿(Canon5DmarkⅣ Canon EF50mm F1.8 STM ISO-100)

撮影日誌

 ある夏の日のお昼の部室。「佐賀県に往復3500円で飛ばないか?」……ぬ氏から言い渡されたそれは、悪魔の囁きであった。片道でも1万は下らない九州に、成田からたった4野口で行けるというのだ。しかも現地のレンタカーもキャンペーンで1日1000円で借りられるとのこと。渡りに舟ならぬ渡りに飛行機である。当然その場で即「行きてぇ」と返答したのであった。

 日程は後日練り上げたが、東園カーブが順光で撮れる9月上旬で安い日を……ということで9月9日~10日の一泊二日をチョイスした。台風さえ来なければ問題なし!そんなことを語りあった記憶があるが、噂をすれば影がさす……先人が考えたことわざというものは、やはり経験則だけあって本質を突いているのかもしれない。

 そう、言わずもがなその日は千葉県に未曾有の大災害をもたらした台風15号の翌朝である。JR東は早々に計画運休を決め込み、私鉄各社もそれに追従していた。取り敢えず私は地元の西武が動いていたのでぬ氏とのランデブーポイント、東京駅を目指した。なんとか8時頃には辿り着いたものの、千葉方面へと行く手段が皆無であった。鉄道は総武・京成共に停電や架線支障により運休。かといって道路も東関道の事故や空港道の冠水で不通。東京駅は空港に向かう旅客で洪水と化していた。ジリジリと時間だけが経つ中、出発の11時が迫っていた。

 しかしそこに希望となる一筋の光が差し込んだ。ぬ氏が繰り返しアタックしていた航空会社の電話回線に繋がったのである!そして問い合わせによると、こういう事態なので変更が可能だということ。空きがあった2日後に変更してもらい、私はバイトの代務を依頼したのであっった。

 更に幸運が募る。なんと、自分の旅行期間中にキハ66の国鉄色重連が実現しそうな運用(しかも朝の大村線を一往復!)に差し替わっているではないか!これには流石に狂喜乱舞し、テンションは最高潮に達した。期待に胸をときめかせて、2日後無事に成田第3ターミナルより天上人となった。

 だが、幸運伝説もそこまでは重ならなかった。到着日の午後から、国鉄色だったはずの運用が差し替わりSSL色になったのである。本来なら表題写真も国鉄色重連だったのだが……Oh……再履修……