Part.5

最長の鐵路

最南端を目指す車窓

Trip Date : 2017.08.27~29

Write Date : 2018.07.10

2017.08.27

 指宿枕崎線に揺られて2時間以上。鹿児島県は広いものだと痛感させられた。この90kmの道のりに数え切れないほどの素晴らしい風景があると思うと胸が高ぶる。また次に来る時にじっくり堪能させてもらおう。

 鹿児島中央に着くのは21時頃。事前に早得で購入済みである九州幹の終電で博多に高跳びするつもりだ。西口近くにあるコインランドリーで着ているもの以外の洗濯物を全部回し、暇つぶしにでも東口に向かう。観覧車と路面を絡めて撮れないか試行錯誤した。

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2017.08.27 21:28 鹿児島市交通局:鹿児島中央駅前付近 (Canon7DmarkⅡ EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM ISO-200)

 かれこれ15分ぐらい待機したが、信号と車の流れが一致しないとなかなか綺麗には写らない。信号で停まらずそのまま通過していったり、背景にトラックが来て歪になったり等。600形でも来てくれれば最高なのだが、何形かも分からない広告ラッピング車が来た。かなり運値が高くないと撮影できなさそうだ。

 程よいところで切り上げ、洗濯物を回収していざ新幹線に乗ろうと思ったが、ここでふと切符の券面を見てみる。あれ?22時40分発だと思っていた博多行き最終新幹線の発車時刻が10分以上が早いぞ?22時28分発で、今はもう既に26分。やべぇ!乗り遅れる!Suicaを落とし改札で乗車券を入れ忘れたが、間に合わなかったら面倒だ。ダッシュで駆け込み間一髪。綱渡りが多い日だ。

 新幹線は流石に速く、あっという間に博多に到着。駅ナカのネットカフェに入庫した頃には日を跨いでいた。時間が時間なのでフラットなぞ当然空いておらず、リクライニングチェアで一晩を明かすこととなった。電撃大王でやが君と新米姉妹を読み漁りながらシャワーの順番を待った。

2017.08.28

 朝になり気がついたのだが、18きっぷを全て使い切ってしまった。しかも、川内では急ぎすぎていたせいか最低限しか引き出してこなかった。どうにか博多駅の回りを彷徨うこと10分以上。ATMを発見し引き出すことに成功した。これだから日曜日は嫌いである。

 無事都府楼南までの課金芸を回避し、始発の大牟田行きに乗車。狙うは太宰府信号場のストレートである。

2017.08.28 06:17/06:37 鹿児島本線:水城~都府楼南 (Canon7DmarkⅡ EF70-200mm F4L IS USM ISO-200)

2017.08.28 06:49/07:04 鹿児島本線:水城~都府楼南 (Canon7DmarkⅡ EF70-200mm F4L IS USM ISO-160)

 南九州もキハ40や415が跋扈跳梁しており魅力的であるが、北部九州も朝練をちょっとするだけでこの被写体量である。関東で朝練なぞほぼ死語に近いものであるが、ここではまだ現役なのかと感嘆してしまった。遅い夜明けからすぐの限界斜光が車体を明るく照らす。国鉄型も去ることながら、883の完成されたデザインに斜光が当たると猛烈にカッコいい。我ながら自分の写真に惚れてしまう。

 EF81を撮った後は都府楼南に撤退し、修行の時間となる。この旅行のサブテーマである「18きっぷで山陰本線を乗り通す」という目的を達成するのだ。まずは下関まで優雅に快速で移動し、海峡を渡り九州にさよならを告げる。さてと、いざ偉大なるローカル線へ!

 と意気込んだは良いものの乗り換え時間があまり無い。サクサク乗り換えて長門市行きのキハに乗車。このキハはそのまま仙崎行になり支線の乗りつぶし完了。長門市に即座に引き返し、臨時の東萩行に乗車。幕末ISHIN号のおかげで増発列車がある。徒歩鉄には無理かと思われていた山陰本線山口県区間での撮影を実現させてくれた。目指すは山陰本線を代表するお立ち台『サンタマ』である。

 玉江駅で降りて歩くこと35分。快晴の下歩くのはVが保証されており気分は良いが汗が止まらず地獄でもある。しかし、激V写真の為ならなんのその!普段よりも僅かながらテンポが高くなりがちな足音を抑えられない。

 撮影地の麓に到着すると、どうやら付近で法面の工事中である。巧く立ち位置を陣取り、目立たぬようにする。

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2017.08.28 14:46 山陰本線:玉江~三見 (Canon7DmarkⅡ EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM ISO-250)

 白砂にエメラルドグリーンの海、どこまでも続いていきそうな海岸の風景に否応なく息を呑まされる。この撮影地を知る撮り鉄のみに赦された絶景である。その風景の中に、国鉄メイクなキハ40が来たらもう感無量。”偉大なるローカル線”へようこそ、そう言われているような気分であった。

 1時間ちょっと撮影して離脱し、進路を東に取る。安価な宿が米子でゲットできたのでそこが目的地だ。玉江16時47分発の列車に乗ってあと250km移動だ。俺の腰よ…持ちこたえてくれ!

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2017.08.28 16:41 山陰本線:玉江駅 (Canon7DmarkⅡ EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM ISO-100)

 もうここからは殆ど意識がない。爆睡していた結果、出雲市で接続の普電に逃げられてしまい到着が30分遅れたぐらいだろうか。ホテルの部屋を取り、近くのラーメン屋で昼飯を取り久々の個室で寝た。

2017.08.29

 翌朝は伯備線やくもの撮影をするために始発に乗る予定であったが、疲れからか余裕で寝坊。スクランブル発進して取り敢えず伯耆溝口に行くだけ行った。

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2017.08.29 16:21 伯備線:岸本~伯耆溝口 (Canon7DmarkⅡ EF70-200mm F4L IS USM ISO-100)

 立ち位置が掴めないし側面に光が回ってない。やはり寝坊はクソしか産まない。おまけにサンライズ遅延でダイヤが乱れてる。はぁ~クソ。

 もうどうにでもなれ~という気分である。午後から天気が怪しくなるそうなので、このまま京都まで一気に駆け抜けてしまおう。米子駅にバスで戻り、米子からは普通電車を乗り継ぐ。鳥取で駅弁を買ったり(あんまり美味しくなかった)、DSの充電が切れて暇人になったりしながら、20時01分に京都駅に到着した。山陰本線を制覇した!という謎の感動だけが心を包んでいた。

 さて、運用は殆ど調べられていないが奈良線ホームに行けば103系に会えるだろう。取り敢えず行くだけ行ってみると、やはり居た。取り敢えず何も考えずバルブに励む。

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2017.08.29 20:20 奈良線:京都駅 (Canon7DmarkⅡ EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM ISO-500)

 NS401の一灯改造車が良かったが、この際なんでもいいか。とレリーズを押し込んだ。これにて全撮影行程が終了。奈良線~大和路線~JR難波~京阪と乗り継いで、0時20分京都駅発の3列夜行バスに乗って自宅へと帰ったのであった。