年越しツアーは毎度過酷な旅行である。その中でも一番過酷なのが年越し。今年も当然終夜運転で年越しをしていくわけだが、近年のコロナで運行本数がめっきり減ってしまった。成り行きで自然と近鉄終夜になるのは至極当然であったが、夜はまだまだ長い。折角だし個人的な希望で南海電車のバルブを敢行した。
電車に一駅乗り、天下茶屋駅へと降り立つ。噂通りの無骨な屋根が"映え"るのがこの駅の魅力である。運用情報サイトによれば次の電車が6000系である。かなりの老兵でありながらつい最近まで廃車が出なかったが、いよいよ置き換えが始まったと聞き早めの葬式をしたいと思っていた。片扉・4ドア・前パン・オールステンレス。唯一無二の特徴を兼ね備えているこの列車が、魅惑的な被写体でないはずがなかったのである。