近鉄20000系

　2021-2022年越しツアーは奈良・東大寺で年越しとなった。その後は終夜運転の各駅停車で難波に戻り、臨時ひのとりで伊勢へ初日の出を拝みに行く計画であったが……近鉄が驚きのプレスを直前で出してきた。『楽･終夜運転臨時運行』――あのダブルデッカーが通常運用に投入とは！しかも東大寺で年越しを迎えてから、ひのとりに間に合わせるのに無駄に丁度いい時間に走っている。阿鼻叫喚の地獄になることなぞいざ知らず、雪がちらつく東大寺の大仏を拝むありがたい年越しとなった。

　直ぐに東大寺を脱走し、近鉄奈良駅へと向かうが……既に謎の行列が改札階まで形成済み。まさかこれに並ばないとホーム階に降りられないのか……？と思いきや、特にそういった整理列ではなく、どうやら自然形成的な列だったらしい。ならばガン無視してホーム端部へと向かう。狙うは入線風景。Twitterで調べると、近鉄難波は即定員打ち切りとなったようだが……ホームを眺める限り、こちらも悠長はできなさそうである。俄に騒がしくなってきた頃、専用ヘッドマークを装備した楽が入線。撮影後直ぐ様ドア近くへと移動したところ滑り込みでセーフ。通勤電車と化した観光列車で難波へと取って返した。

　ギリギリ滑り込んだだけあって、当然自分の座席なぞ用意されるはずもなく、階段脇の隙間に入り込んで車窓を眺めることとした。見慣れぬハイデッカーからの眺望や、楽の車内と思えない通勤電車状態の光景を楽しみつつ、あっという間に終着・大阪難波に到着。一年の計は元旦にあり、というが、今年はどうやら乗り鉄yearになるのだろうか。この一年、"楽"しんで過ごしていきたい。