箱根登山鉄道のモハ1・2形であるが緑色が引退し、いよいよ残るは3両のみとなった。2018年の時点で「数年以内の引退を見込む」との発表があったが、4年半が経過した今もなお最後の奮闘を続けている。だが花粉薬号――もといアレグラの導入情報も無く、まだ最低一年は生き残りそうな勢いである。数十年前を彷彿とさせるアンティークな列車が未だに元気に走っているのはありがたい限りである、限りではあるのだが……
どうしても許せないのが「全く整わない編成美」である。現存する塗装は通常塗装(オレンジ基調)と旧塗装(水色基調)の二色なのだが、この塗装の配分がまずおかしい。単行が水色、2連が橙であれば丁度良く楽しめるのだが、何故か2連が二色塗りされているのである。更に意味不明なのが、3連を組んだ際、通常組成であると橙-水-橙というゲテモノ組成になるのである。まあ数年前に見られた三色団子に比べれば多少マシだが、やはり私のイメージするモハは橙塗装(金太郎か通常かは問わない)。この組成では面縦以外まともに撮れたものではない。絵本「はこねのやまのとざんでんしゃ」で植え付けられた記憶はそう簡単には抜けないのだ。
というわけで個人的にはクソ組成に感じるこの路線のイメージ番長。お陰様で撮影に行くやる気が全く出ないのだが、この日は何か違うとか……噂によると、「逆組成」であるらしい。どうやら水色が通常の編成真ん中ではなく、橙-橙-水と逆向きに編成されているようである。これは運用調査組によるとかなり貴重らしく、この組成なら昔懐かしい雰囲気を存分に味わえるはずだ。夕刻、熱海で片道Goを借りて夜遊びに励む。大平台駅の入線→バルブをし、発車のシーンをどうするか……そうだ、シンプルに全力で流そう! 連結面に向かって、思いの丈をぶつけて体を振り切った。