毎月恒例の西武秩父線詣で。この日は午前に一仕事終えてから山へと分け入った。盛夏、酷暑の季節を邁進し、未履修の入水アングルや連結シーンをコロコロと回る。徒歩鉄は気が向いたところで立ち止まり、自由気ままに歩き回れるというアドがある。比較的駅の近くをほっつき歩き、この日のメインアングルへと向かった。
この日のメインは高麗カーブ。元来、この撮影地は北側の側面が大きく映るため、曇りの日でないと逆光で死ぬアングルである。だが夏至前後限定ならガッツリ光線が当たるのでは?という希望を持ちながら武蔵横手の駅を降りた。のんびり杉林を通り抜け、定番撮影地へと到着。当然先客が居るはずもなく待機するのだが、まもなく逆方面の電車が通過するようだ。踏切より太陽方向を向くと、ちょうど後光のように光が差し込む。これは好都合、気が付かぬうちに列車のための檜舞台が仕立て上げられていた。これを逃しては撮り鉄が廃る! 踏切が鳴動し、まもなくカーブの向こうより白いタキシードボディが顔を出した。
そしてモニターを見てつい口角が上がってしまう仕上がりだったものの、全ては問屋が卸さず。本命の編成取りは、日没コールドアウトで影の中を通過するのであった……