伊豆夏の引退がいよいよ迫ってきたという風の便りが入ってきた。この涼しげな塗装が非常に私の好みに合っており、ステンレスとは思えぬ存在感に惹かれていた。編成写真は一週間前に一枚抑えられたので、もう一枚何かしら欲しかった。それで選んだのがつくし野のカーブ面縦だ。
8500系という車両は成り立ちの影響で中央林間寄り先頭車両にパンタが装備されている。これは編成写真を撮る上では非常に厄介であるが、面縦するにはうってつけである。面縦で上下に余白を作るのが嫌いな私としては、余白を埋められるこの構造は非常に宜しい。ハイアンから構えれば、一眼のアス比2:3にピタリと収まることをミホジャで確認していた。
大学を早めに抜け出し、つくし野の沿線へと向かう。流石に引退が迫っているせいか、既にキッズがローアンに何人か構えていた。挨拶もそこそこに、がら空きのハイアンに構える。光線が傾き始めた17時半。けたたましいフランジ音を響かせてハワイアンブルーの風が現れた。