西武新宿線も池袋線も都心と郊外を結ぶ路線であるから、中々恵まれた撮影地は多くない。ましてや田舎のガチエロ光編成撮りなんて夢のまた夢である……と思っていたが、上手く条件を揃えればそうでもないらしい。それがこの撮影地であった。キレイにヌケがあるストレート区間では太陽高度5°でも車両全体に陽が当たる。時期は限られ早起き必須、立ち位置激狭とハードではあるが、それを覆すカッコよさを秘めていると以前から考えていた。
さてそろそろシーズンオフが近づいてきたし、重い腰を上げることにしよう。そう思ったのが10月下旬であった。朝5時に起床しぬくぬくと日の出前のシク線を北上した。撮影地に着いてみると……あまりのヌケの良さのせいか、ガッツリ架線柱の向こうに富士山が見えるではないか。編成撮りの構図を崩さずに富士山の存在感を示すには……300単を繰り出し、望遠効果で強調するしか無いだろう。これまたシビアな立ち位置調整が必要とされたが、きっちりとモノを頂くことができた。