8月後半になって太平洋高気圧が弱体化し、史上最強ともいえる猛暑が収まって秋空が広がった。夏の形のはっきりした雲から巻雲のような柔らかな雲へと変わり、昼も日陰に入れば過ごしやすい陽気になった。こうなれば出撃は当然。朝バイトの勤務が終わってから、いつもの小田急に乗車してここ一ヶ月で3回目の小田原詣でをすることになった。
この日は初めから米神大俯瞰で土曜日限定の踊り子117号を撮影する、と決めて掛かっていた。昨年の12月にも訪れていたが、冬枯れで映えないのと貨物に被られた結果再履修案件となっていた。この日の朝方の東京の天気は快晴!これはイケる!
根府川駅には正午過ぎに到着。直ぐに登山しても光線がショボいので、適当に駅撮りしながら時間を潰す。だがあれよあれよという間に、丹沢山系の方から雲が流れてきた。光線がショボくなることはあまり無かったが、如何せん海の色が出ない。諦めて編成撮りするか、それとも再々履修覚悟で登るか…?いや、ここは攻めねば!米神の山へと汗だくになりアタックし、いつもの立ち位置へと辿り着いた。案の定地平線近くに薄雲が被っているせいで海の色がくすんでいる…しかし、通過20分前あたりから画角内の海がマリンブルーを取り戻し始めた。曇りがちだったお天道様も5分前には全開露出へ!この状態が来れば完璧…そう祈る心持ちは届いたのか、いよいよ遮断桿が倒れた。そして檜舞台に長大編成の特急「踊り子」が登場。高速走行で唸るモーター音を集落に響かせて通過していった。