9月ごろ、たまたま本屋で立ち読みしたRM誌で目に焼き付いて離れない特集があった。RM誌445号に掲載されている『The Last "Liners" ~ストライプの旋風 第二章~』という記事である。早朝の国府津出庫から夜の下りライナーまで、踊り子とはまた違った"裏の顔"として勤しむ平日の185系の姿が端的に纏まっていた。その題材の素晴らしさも勿論のこと、掲載されている絵が非常に印象的であった。特に、根府川駅の夜と石橋鉄橋の日の出カット。初めて書店で目を通した時、頭を貫かれたような衝撃を受けた。
だが阿呆かな、その場でそのRMを衝動買いする胆力もなく帰宅。それから一ヶ月ほど過ごしていたものの、やはり忘れられないあのカット。やはりやらなきゃダメだよな……そう思い立つ。Windyの天気予報を見た。明日はハヤネブ方面バリ晴れ!秋は意外と晴れに恵まれないし、太陽が真横に来るシーズンもそう長くはない。房総方面に高層雲が湧きそうだが、まぁなんとかなるだろう、そんな軽い気持ちで出撃を決めた。
翌日、大学が終わったその足で新宿へと向かう。まずは買いそびれた"作例"を手にしなければならない。だが既に一ヶ月が経過しており、既に新刊に置き換わっておりそんじょそこらでは返品済み。大型書店を巡るも見つからず、最後の希望と思って入ったブックファーストで無事巡り合った。その後、小田急のダラでのんびり下って終着は0時過ぎ。小田原駅前の時宗のカーシェアを借り出し、暇つぶしに強羅バルブ~芦ノ湖~椿ラインを走ってからハヤネブで車中㋵と相成った。
起床すると、やはり水平線付近は薄雲が湧いていて一瞬愕然とした。だが待てよ、今日に限っては太陽の強烈な光線をフィルター代わりに減光してくれる有り難い存在では?段々と明るみゆく水平線にウットリしていると、今日の日の出が始まった。彩度がグングンと増していく中、数々の列車たちが煌めく海を横切っていった。