今冬で何としてでも仕留めたい被写体は3つだ。来年冬には存在が危ぶまれる湘南ライナー14号、貴重なEF64の上越カッター、そして上州をひた走る吾妻カッターである。これらの被写体はすべて早朝の運転で当然掛け持ちはできない。しかもそれぞれの被写体には、履修しておきたい魅力的な撮影地が幾つか存在する。いくら冬晴れが永遠に続きそうな関東とは言えども、予定を鑑みるとそこまで日程に余裕があるわけではない。一つ一つ丁寧にこなしていかなければならないのだ。
この日は前日夜からレンタを借り出し、吾妻カッターを仕留めるべく群馬県へと向かった。最近夜借りの時の定番となっている東所沢や大胡の車庫バルブを楽しみつつ、運用最初の定番である大前駅へと向かった。
空気の澄んだ高原特有の星空や無人駅の侘しさを絡めながらシャッターを切りまくっていると、あっという間に発車時間になった。様々な撮り方をしても写真映えする単行列車には、昨今のテツを惹きつけるだけの力を有していると感じた。その後、後輩のた氏に安全運転してもらって祖母島へ。直前に鳥の大群の乱入があったが、無事に型通り定番のカットを切り取った。
とまあ、吾妻カッターの戦果は上々であったが、草津へと湯治へ向かう車中で悲報が飛び込んでくる。「上越カッター、南北共に運転!」 。その上、北カッターは着雪付きで中里に入線しているV条件。車内の(一部の)空気が嘆き悲しむこととなったのは言うまでも無かった。丁寧にこなしていかなければいけないのに、貴重な機会を見過ごしてしまったのは大いに反省である。